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50号 7つの習慣

2022.01.15

経営をやっていると、私は何度も同じような落とし穴にはまったり、壁にぶちあったりしました。若いころは、相手が悪いとか環境が悪いと外部に原因を求めていました。相手を変えようと躍起になったり、環境のせいだと諦めてたりしていました。それでは、何も変わりません。

経営で必要なことは学校で学んだことではなく、起きる問題のほとんどは人間関係からくるということだと経営を学ぶ会で、教えてもらいました。仕事をするには、従業員さんの協力が必要です。給料を払っているからと言って、相手の考えや都合を考えずに、自分の考え方だけの言い方だと、相手はやってくれなかったりしますね。いい人間関係だと、進んでやってくれたりしますね。

商売も同じです。当初はメリットがあれば、買ってくれる。メリットがあるから買う。と考えていました。メリットが無くなれば、離れていく関係だと、ギスギスしますね。それよりも相手と気持ちよい関係だと長く商売が続く感じがしてきました。

この勉強会で、7つの習慣の第一章をまとめるという課題が出ました。その本には「人とうまくやっていくにはどうしたらいいのか?」というヒントが書かれていたので紹介させていただきます。

「パラダイム」が肝でした。パラダイムと言うのは、その人が持っている価値観、モノの見方、考え方になります。パラダイムは人によってさまざまで、見ている世界はみんな違います。

今では滑稽な話ですが、同じ夜空を見ても、星が動いていると考える地動説を唱える人と地球が動いている天動説を唱える人がいて、どちらが正しいかと争っていました。
同じ会社でも、安く売って多く作って儲けると考える人と、高く売ってそんなに作らずに儲けると考える人がいます。社長と従業員さんの考え方が違うと上手く行きませんね。このようにパラダイムの違いによって人は争うのですね。

パラダイムは、年代、性別、立場、国籍など環境によって違っています。この多様性は、個性と言ってもいいかもしれません。私は、人によってパラダイムが違っていることに気がついていませんでした。そのために、自分のパラダイムを相手に押し付けて生きてきたと思いました。「自分の考えは正しい」「このくらいできて当たり前」「時間に遅れるのはダメ」など自分の基準で相手を罰していると、争いが生じ、なかなか経営はうまくいきませんでした。

そんな時、経営の勉強会を知りました。師匠から「人は、自分の色眼鏡で世界を見ているんだよ。その色眼鏡の色はそれぞれ違う。辻さんの色眼鏡の色は濃いよ(笑)」と教えてもらいました。

最初のうちは、その言葉の意味が全く分かりませんでした。この言葉を頭の片隅に置いて生活していると、徐々に、自分のパラダイムに気がつきました。高校生の頃に私の父が部下の使い込みで倒産をしました。家から追い出されたとか、ご飯が食べられない等の具体的な変化したことはありませんでしたが、私にとっては、とても惨めな思いでした。

この体験はお金に対する執着を生みました。これが私の色眼鏡です。その色眼鏡から見える世界は次の通りです。世の中には悪い人がいて、親父のように騙される。だから、人を信じては危ない。倒産したらみじめ。だからできるだけ危ない橋は渡らない。時は金なり。だから時間のかかることは無駄と自分の都合を中心にした考え方が固まっていきました。自分の都合だけなので、お客さんも増えず、業績も良くなりません。

上手く行かないとさらにこの考え方を突き進んでいきます。自分のパラダイムで人を裁くのに忙しくなる。そんなことをしているので、業績は停滞したまま。どんどんと深みに入っていきました。

これだけ悪いことが続くと、これは自分に問題があるのかもしれないと思うようになりました。自分の何かを変えるしかないのかとだんだん思うようになりました。この本では、自分を変えようとする働きかけのことを「インサイドアウト」と言います。この経験を紹介します。

勉強会の課題で募金活動をしました。募金は、中間業者がいるので、その対象者に全額は渡っているはずがない。中間業者が搾取している。だから募金はしないというパラダイムがありました。

実際にやってみると、小さい子供が親に勧められて募金をしてくれたり、小銭入れのお金を全部募金する学生さんがいたり、あなたからはもらえませんと言う身なりの方から募金を頂いたりしました。私とは違うパラダイムを持っている方がいることに気がつきました。

また、知らないお宅に行って、1000円を稼いでくるというサバイバルという研修をしました。私なら見知らぬ人に来られた断ります。やってみると、1000円稼げないと帰れないことに同情してくださる方がいます。そう言う方の中には、私に頼まなくてもご自身でできるのに、わざわざ仕事を作ってくださる方がいるのです。

私は、人を信じては危ないというパラダイムがありましたが、私を信じて募金をしてくれたり、同情して仕事を作ってくれる優しい人たちが世の中に入ることに気がつきました。

師匠の勧めで、価値観の合わないことをやり始めました。面倒な複写はがきを書く。自分の言いたいことではなく、相手が元気になることを書く。毎日、会社の床をワックスする。月に一回、周辺の掃除をする。寄付をする。人の話を最後まで聞くなどです。

実践していくと、募金やサバイバルの時のように、私とは違うパラダイムがあることに気づくことがたくさんありました。そうした経験で、あなたのパラダイムには、賛同はできないけど、そう考えるのね。と他人のパラダイムが認められるようになり、争いが減ってきました。社会に出て人とうまくやっていくには、先ず自分のパラダイム(癖や価値観)がどのようなものか知ることが必要だと思います。

この世の中には、沢山の人が暮らしていますが、それぞれが違うパラダイムを持ち、自分と同じではないことを受け入れると、見える景色が変わってくると思います。