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22号 思いをつなぐ
2020.11.15
先日、MGに参加をしてきました。A社長、B社長が私と同じくらい50代でした。A社長に事業を聞くと独立する前からペット関連の仕事をしていて、30年以上ペットに関わる仕事をされていると言われました。昔のペット業界はひどくて、住み込みで○万円といった労働環境だったそうです。またペットの扱いもひどかったそうです。それが徐々に改善されてきて、自分も業界を良くするためにセミナーをやったり、認定協会を作ったりしています。と答えられました。
後継者はどう考えられているのですか?と質問すると、「20代の子供がいます。会社だけなら子供でもいいのですが、いろいろとやっていますので(認定協会など)、もし子供が私の思い(業界の発展など)を継いでくれるのでしたら、継いでほしいと思っています。まだどうなるか分かりません。」と答えられました。単に事業を継ぐのではなく、A社長の思いやその立場を理解して継いでほしいというのが素敵だと思いましたし、後継者に対する基準があるのだなぁと思いました。
Bさんに事業内容を聞くと、障がい者のデーサービスのよう施設を手がけて、今期から高校を設立し、その後専門学校を作るつもりだと言われました。Bさんには障害のある子がいるとのことでしたので、この事業展開を納得をしていましたが、この事業を始める前のことを聞いて驚きました。
何かのご商売をされていて、3店舗まで大きくされました。自分の子供に障害があり、将来自立してほしいと思って、今やっている事業を始めようと、3店舗を部下にまかせていたら、悪い人につかまって、店舗を乗っ取られて、倒産されたそうです。それで家族を奥さんの実家へ戻して、一人で車に寝泊まりしながら、現在の事業を始められたそうです。会社を取られた悔しさや家族に会えない寂しさ、子供や従業員への申し訳なさがあったと思いますが、その時の苦労は一言も言われません。
その上「倒産したおかげで障がい者の事業だけに絞ることができた。あのまま両方をやってたら中途半端やったかもしれない。倒産してよかった」と言われました。強い人だなぁと思いました。それで、なんで学校まで手掛けるのか理由を聞いたところ、「最終的には、障がい者が普通の会社に入って、給料をもらって生活する。障がい者の自立を目指しているんですよ。例えば、ネイルの仕事なんかは向いている障がい者はいます。その特性を生かして社会で貢献できるんです。専門学校を作って、普通に企業に就職する環境を作りたいと思っています。自分が生活するだけでしたら施設2つ運営してたらできますよ」と笑って答えてくれました。
後継者はどう考えているのですか?と聞いたところ、「最近、長男が入社してくれたんですよ。彼を後継者にと思っています。」と答えました。私の父も私が高校生の頃に倒産をしたので、私は事業をすることがとても嫌でした。すんなり了承したのかと聞くと「2年かかりました。倒産させてしまって、他の子とは違って旅行や遊びに連れていけなかったことを謝り、そして、今の事業をやる思いを伝え、もし生まれ変わっても社長をやりたいという意気込みを伝え続けました」と言われました。
私は会社で働いてくれている従業員さん、会社のノウハウ、顧客、信用といった資産を次の人に渡すことが事業継承だと定義していたように思います。A社長もB社長もそんなお金に関わることではなく、「自分の思い」を継いでほしいと思っているように思いました。B/Sの見えるモノ(資産)ではなく、思いや理念など見えないモノの方が大切なんだぁと改めて思いました。
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