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45号 社員教育とは
2021.11.01
「先生、お弁当が来ましたよ。良かったら私が代わりに代金を支払ってきましょうか?」 と女性社員さんが私に言いました。
彼女は、私がMGの採点で忙しくしている姿を見て、席を立つことができないと思って声をかけてくれたのだと思いました。彼女の気づかいがとてもありがたく、支払いをお願いをしました。採点が終わって、お弁当を食べようとしたときに「先生、お茶をどうぞ」と言って紙コップにお茶を入れて持ってきてくれました。
あなたの気遣いが素晴らしいねというと「社長の教えを実践しているだけです」と言われました。20歳の女性社員がこれを言ったんですよ。一発でこの会社のファンになりました。この社長がどんな教育をされているのかとても興味がわきました。
熱心に環境整備を実践されている会社でした。環境整備とは『仕事をやりやすくする環境を整えて備えること』と言われています。環境整備の目的は、働く社員たちのココロを整えること。単なる掃除や5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)とは似て非なるモノだと言われています。
経営は逆算だと言われた一倉定先生は、環境整備こそ、すべての事業活動の原点であり、環境整備のないところに、会社の成功や繁栄はありえないとまで言ってられます。環境整備を通じてこのような社員さんを育成され会社を強くされているのだと思いました。
さっそく、環境整備活動の見学をお願いして、先日、点検の同行に行ってきました。環境整備は「整理、整頓、清潔、礼儀、規律、チェック」の活動を行うことです。特に、礼儀、規律が素晴らしかったです。朝、社員のみなさんとお会いすると気持ちのいい挨拶をしてくれました。また、駐車場から本社までの移動も早歩きで、皆さんの行動が機敏でした。
本社の点検が始まりました。シュレッダーの裏側にある小さなごみを社長が見つけて、担当者を呼びました。「このゴミは5mm以上だな」と言いました。私は、これでダメなの? 基準の高さに驚きました。社員さんが「4mm以下ですよ。測ってください」と反論しました。検査係がメジャーを取り出して測ると4mmでした。その結果に社員さんは、満面の笑みを浮かべてガッツポーズをしていました。
シュレッダーの奥に落ちていた小さな紙ごみの大きさに大の大人が真剣にやり合っているのです。文章を読むとなんて細かい会社だと思ったかもしれません。しかし、社長の細かさに社員がうんざりしているわけではありません。社長と社員さんのやり取りは明るいです。それは〇、×の基準が明確だからだと思います。
点検者は、社長以外は決まった人ではなく、毎月持ち回りで点検をしていきます。他部署の良い事例を見ることできます。また、最後良かった点、改善したほうがいい点を発表します。相手の良いところを見つける癖がつきます。この実践が社員さんを鍛えていくのだと思いました。これは、5Sとは違います。
教育者の森信三先生が「教育とは流水に文字を書くようなはかない業である。だがそれを岸壁に刻むような真剣さで取り組まねばならぬ」とおっしゃってられます。この言葉を中村土木建設さんの環境整備では体験できると思います。来年の2月、3月にも同行させていただけることになりました。10名までなので、お早めにお申し込みくださいね。
https://www.iga-mg.com/seminar
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