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46号 幸福三説
2021.11.15
「幸田露伴の幸福三説を知っているかい?」 と経営の師匠が言いました。「ジョジョの奇妙な冒険」に出てきた「岸辺露伴」なら知ってますが、幸田露伴は良く知りません。
黙っていると、「幸田露伴は、『五重塔』や『運命』などの作品で知られる昭和の小説家なんだよ」と教えてくれました。
幸田露伴が書いた「努力論」と言う本に、幸せになる方法が書かれかれているだよ。「惜福・分福・植福」の3つ(幸福三説)を実践すれば幸せになるんだよと教えてもらいました。
師匠曰く、「惜福」というのは、幸福を無駄遣いをしないという意味にとられがちだが、そうではなく「自分の権利を使い切らない」ということなんだ。もちろん自分の権利は守られるべきものだが、それを全部使わずに少し人に譲る生き方を「惜福」と言うんだよ
「分福」というのは、いいことがあったら、自分一人のものにせず人に分けるということだよ。もし何かで成功したら、その成功を自分だけの成果と考えるのではなく、それを支えてくれた人にその喜びをお分けすることを言うんだよ。
「植福」というのは、今のためではなく、将来のための幸せの種を植えることを言うんだ。MG(マネージメント・ゲーム)をしている人で言うと、「チップなどの次繰り」のことだよ! と教えてもらいました。
先日、ニュースレターを送ってくださる方から、災害を受けたハガキ仲間がいるので、義援金を協力して欲しいという連絡がありました。
これは、教えてもらった分福の実践のチャンスだと思いました。指定口座にお金を振り込みました。すぐにニュースレターの発行者からお礼の電話連絡がありました。
きちんとしている人は違うなぁと思いました。それから二ヵ月後のニュースレターになぜか切手が1シート同封されていました。今まで、こんなものが同封されていることはなかったので、不思議に思いながら、ニュースレターを読んでいました。この方のニュースレターには読者からのはがきが掲載されています。掲載された中から、知り合いのはがきを見つけるのが楽しみに一つになっています。
ハガキ欄を見ているとに、被災された方からのお礼のハガキが掲載されていました。読んだ私は電気が走りました。分福の実践をしたと思っていた自分の小ささに辟易しました。
そのハガキには「〇号には皆様からの暖かいエールの数々、ただ感謝するばかりです。(中略)皆様からの義援金・・・本当にありがとうございます。Nさん(注:ニュースレター発行者)の存在がひときわ光り輝いています。私もその光の中にいてその光をいっぱい頂きました。何もできませんがせめて切手を通信に同封していただけたら幸いです」と書いてありました。
あの切手は、被災した方からのお礼の品だったのです。災害を受けて本当に大変だったと思います。それでも頂いた義援金(福)をすべて自分のために使うのではなく、いただいた方に少しでもお返しをされています。
私が行ったの義援金は、自分が豊かだから、自分の福を分けたようなものです。この方が行ったのは、自分がピンチな状況であってもすべての福をいただくのではなく、人に福を分け与えれた。これが真の分福なんだと思いました。
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